カンパ&フルクラム兄弟機ホイールインプレ

こんにちは!

剛脚ローディーです。

今回はかれこれ何年か使っている姉妹メーカー、カンパニョーロ&フルクラムの兄弟機

「BORA ULTRA TWO」(チューブラー)
「RACING SPEED XLR」(チューブラー)

の比較インプレを書かせて頂きたいと思います。飽くまで個人的な感想ですし、両者既にモデルチェンジされたホイールである事、従いまして現行の後継モデルの

「BORA ULTRA 50」シリーズ
「SPEED」     シリーズ

ではありません事、予めご了承下さい。

■リム■
両者共通のリムを使っていますが、スポーク穴の開け方で違いを出しています(穴の開け方1つでも剛性が変えられる為)。前後別設計のリムで、フロント側リムに明らかにカーボン繊維ではない構成物(フラックスファイバー?)が入っており、この構成物がバルブ穴から確認出来ました。仮にフラックスファイバーだった場合はこれで衝撃吸収性を上げているものと思われます。

■ハブ■
それぞれ専用のハブを採用しています。フルクラムの方がカーボンの胴体に両端にアルミ素材を採用したり、角張った形状なので、レーシングスピードXLRの方がハブ剛性も高いと思います。ただし、ボーラウルトラTWOはフルカーボンハブなので、ハブ単体で見てもボーラウルトラTWOの方が手間もコストも掛かっているだろうな、と思います。

■スポークの組み方とその影響■
スポークの組み方はレーシングスピードが当初フルクラムが研究、開発し独自の組み方だった2:1スポーク組(スプロケット側を2本、反対側に1本スポークを配置し、スポーク数を減らしつつ剛性を上げた組み方。最近シ●ノや他社メーカーも真似して同じ組み方で出して来てますね)、ボーラがカンパニョーロ独自のG3スポーク組(考え方やスポーク数は2:1スポークと同じですが、スポークの組み方を少し変えて3本のスポークを1本のスポークに見立てて空気抵抗を減らす組み方)です。

上に挙げた通り、空気抵抗削減効果はG3スポークに分がありますが、加速やペダリングのダイレクト感や剛性感は2:1スポークに分があります。

■発進加速■
発進加速単体で見るとレーシングスピードに分があります。踏んだら即加速してくれる感覚があります。一方、ボーラは瞬発では負けますが、一瞬力を溜めて放出して加速する感覚があります。レーシングスピードは踏んだら踏んだだけ加速してくれますが、+αの伸びがありません。+αの伸びが欲しい場合はフレーム側にバネ感があるフレームを選ぶという風になると思います。

ボーラは前出の通り瞬発では負けますが、踏んだ分+αの伸びがありますので(前出の一瞬力を溜めて放出するという事)、レーシングスピードに比べますと人に依っては脚に優しいと思います。硬いフレームには此方の方が合っていると思います。

■剛性感■
レーシングスピードの方が明らかに高いと思います。
体重がある人やパワーがある人には丁度良く感じる場合があると思います。

ボーラは体重がある人だと"しなり"過ぎてしまい、進まなく感じてしまう場合がありますが(筆者減量前に経験済み)、逆に体重が軽い人や絶対的なパワーが少ない人にはボーラの方が乗りやすいと思います。

■衝撃吸収性■
レーシングスピードも高いと言えば高いですが、ボーラに比べますとダイレクトに伝えて来る感覚があります。フレームに依ってはかなり衝撃が来て乗りにくくなってしまいますので(筆者経験済み)、フレームとの相性が綺麗に別れて来ると思います。

ボーラはレーシングスピードに比べますと柔らかいので、衝撃吸収性もボーラの方が高いと思います。嫌な振動はボーラの方が結構黙らせてくれる感覚はあります。

■制動性■
どちらも変わりません。ブレーキ当たり面に処理が施されていませんので、アルミリムのレーシングゼロ&シャマルウルトラ(通常版)、レーシングゼロナイト&シャマルミレー(特殊処理版)に比べますとブレーキの効きはかなり悪いです。

■スポーク■
レーシングスピードは全て同じスポークを使っているのに対し、ボーラはバルブ反対側に敢えて太さが微妙に異なるスポークを使い(パッと見判り辛いです。電子ノギスで計らないと判らないレベルですが)バランスの事まで考えられて作られています。この様にボーラの方が少し手間が掛かる作り方をされています。


■ペダリングの掴み易さ■

ボーラの方がペダリングのリズム感は掴み易いと思います。ボーラの方がペダルを気持ち良く真下迄スッと違和感無く踏み落とせますし、ペダリングの許容範囲が広いのはメリットだだと思います。レーシングスピードの方が剛性が高いので、丁度良く踏み落とせる位置を探ったり、踏み方をホイールに合わせてあげないと使い難い感覚はあります。ただ、キチンとリズム感を掴めてホイールに合わせられる様になると使い易く気持ち良いホイールになると思います。


■その他■
フレーム剛性が元々高いエアロフレームや剛性が極めて高めのフレーム(若しくはメーカー)、体重が軽い人やパワーが低い人にはボーラの方が合う場合が多いと思いますし(前出の通りボーラの方が柔らかい為)、剛性が低めのフレーム(若しくはメーカー)、体重がある人やパワーがある人の場合はレーシングスピードの方が相性が良いと思います。あとは乗り手の目的や体重や好み、フレームとの相性や全体的なバランスで考えると良いかな、と思います。

細かい所迄本当に細かく作り込まれ、拘っているのは親メーカー、カンパニョーロのボーラの方だと思います。


※両者共にタイヤは前後マヴィック イクシオンチューブラー23C、空気圧は9気圧でテストしています。

Team うみかぜ

神奈川県の三浦半島にあるロードバイクチーム「Team うみかぜ」のブログ。レンタサイクル店「三浦うみかぜレンタバイク」を拠点として活動しております。 活動日記とインプレ記事など随時アップしています。発足して間もないチームですが、和気あいあいと楽しくやっております。 チームに入りたい方大歓迎♪ぜひ♪一緒に楽しみませんか?

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